このタイトルの内容よりも精神病院と自動人形の話が面白かった。
精神病院を見学するというなんとも変わった興味を持ち、病院長の話を聞くうちに数々の異変に気づいていく。
精神病院にぶち込まれたら終わりだなと思うし、そこにいる人のことなんて考えもしなかったことだから、特異な感情を抱きながら読み進めていくことになる。
病院嫌いの筆者にとって馬鹿げていると思う場面がしばしばあった。
章が変わり、自動人形の話になる。誰が動かしているのかという謎を推理していくことになるのだが、話が小難しくて頭で整理するのは読むだけだと難しい。結局、中に人がどうやって入って動かしているかの説明なのだ。
ファンタジー編だけあって現実離れしているため筆者の興味はあまり惹かれなかった。
やはり、推理小説というジャンルは論理的に説明するだけではダメで、ストーリー性のある人間ドラマが必要だと思う。なぜなら、動機に共感したり洞察するのが目的だからである。そういった人間力を磨くものの手助けとして推理小説は機能すると思う。それに付随して合理的に考える思考力を手に入れられたらベストだと思うのだ!
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