・ストーリー
京くんにはある特殊な能力があった。それは人の頭の上にマークが浮かび上がって考えていることのマーク?や!、・・・が見えるのだ。それは誰にも言ったことがない秘密。ある日、授業で隣に座った宮里さん(愛称エル)にシャンプー変えたと聞くと、宮里さんから読み取れない負の感情が湧き上がっているのが見えた。そしたら宮里さんは不登校になってしまった。そんな時、友人の三木(愛称ミッキー)がシャンプーを宮里さんと同じのに変えたことに気づいて聞けずにいた。ミッキーに何か気づかないと聞かれる京は「シャンプー変えた?」と言えずにいた。実は京だけでなくミッキーや宮里さんそれにいつも一緒にいるヅカとパラにも人の感情が可視化できる能力があったのだった!
・キャラクター
大塚京(愛称京)・・・自分と向き合うのが苦手で内気な性格。ミッキーに恋心を抱いている。
三木直子(愛称ミッキー)・・・ヒーローになりたいと思う進路に悩んでいてハイテンションで元気いっぱいの女の子。かくしごとは人の心のバーがプラスとマイナスに見える能力がある。
高崎博文(愛称ヅカ)・・・周りの反応ばかり気にして上手くやっているように見せている。かくしごとは人の感情が喜びなら♤、怒りなら♢、哀しいなら♧、楽しいなら♡に見える能力がある。
黒田文(愛称パラ)・・・クラスの中心的人物。パッパラパーだからパラと呼ばれている。本当は全て逆算して対応している。かくしごとは人の心臓の鼓動の速さを1,2,3,4,1・・・と見える能力がある。
宮里望愛(愛称エル)・・・周りに自分がどう思われているかを気にしている内気な性格だから京と特に気が合う。かくしごとは人の興味ある対象への矢印が見える能力がある。
朝倉先生・・・5人のクラスメイトの担任。
・背景描写
高校生の成長する心の有り様を感情が見える能力で表現することによって変化を描写しているのがわかる。青春の恋や進路に悩むリアルな感情を理想的に描いていて共感性の高い仕上がりとなっている。舞台は教室の一室の風景や修学旅行や文化祭でイベント性を持たせ生徒の高揚感を演出している。5人がそれぞれを支え合って能力を発揮している関係を構築できている。各々にいいところ欠点があり、それをお互いに補強しあって健康的な青春だなと思えた。
・音楽
主題歌はちゃんみなの書き下ろし新曲「I hate this love song」である。ちゃんみな自身の初恋の事を書いた一曲になっている。歌詞もSweetで、映画の甘酸っぱくてちょっと苦い雰囲気と絶妙にマッチしている。ちゃんみなは10代〜20代を中心に圧倒的な支持を受けている。今最も注目されているZ世代アーティストの1人である。
・テーマとメッセージ
原作者の住野よるは感情表現のうまい作家として有名である。感情が豊かで日々成長が現れる高校生で演じることによって感情の奥深さと感情を理解する気持ちを大事にして今を生きてほしいメッセージが伝わる。感情の変化をテーマに感情が可視化される能力があれば、もっとうまく人間関係に悩まずに過ごせるのにと社会人の悩みにも共感できる部分があるように思う。人生の選択は高校生から始まっているんだなと反省して、たらればに浸りながらとても共感できる映画となっている。
・関連する映画
原作者の住野よるの前作「君の膵臓を食べたい」を紹介する。この作品はとても感情的になったのを覚えている。膵臓の病気により、高校生で亡くなってしまう初恋の相手を回想してそれでも生きていく残された人の感情を見事に描いている。映画があまりにも素晴らし過ぎて、筆者が大学生の時に原作小説を買って読んだのが住野よる先生を知ったきっかけだ。あまりにもスラスラ読めて映画と小説セットで感動したのを覚えている。か「」く「」し「」ご「」と「も映画を観てから小説を読むことで背景知識が広がり納得できる内容となっているので原作小説と合わせて映画を楽しんでほしい。
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