・ストーリー
世界地図に存在しない”謎の島”を目指し、ルパン三世たちはバミューダ海域へ向かう。目的は、これまで彼らに刺客を送り続けてきた黒幕の正体と、隠された莫大な財宝を暴き出すこと。しかし島に近づいた瞬間、狙撃によって飛行機は撃墜され、一行は死の島へと不時着する。
そこに広がっていたのは、朽ちた兵器や核ミサイルが山のように積まれ、かつて兵器として使われ、捨てられた“ゴミ人間”たちが徘徊する、世界の終わりのような風景だった。霧に覆われたその島には、24時間以内に死をもたらす毒が充満し、逃げ場はない。
島の支配者ムオムは不老不死を掲げ、世界を選別と排除で支配しようとしていた。銃も刀も通じない“死なない敵”を前に、ルパンは過去と誇り、そして盗人としての矜持を賭けた知略の戦いに挑む。
果たして、ルパンは24時間以内にすべてを盗み出し、生きて島を脱出できるのか。
・キャラクター
ルパン三世(ボイス:栗田貫一)・・・神出鬼没の大泥棒。アルセーヌ・ルパンの孫であり、IQ、身体能力ともに極めて高い。時に相手の裏をかき、時に出たとこ勝負で、数々のピンチを切り抜ける。煙草と、酒、そして美女をこよなく愛す。銃はワルサーP-38を使用。
次元大介(ボイス:大塚明夫)・・・早撃ち0.3秒で敵を仕留めるプロフェッショナルなガンマン。常にクールで冷静。ルパン三世とはビジネス上のパートナーとして仕事を共にする。
石川五ェ門(ボイス:浪川大輔)・・・大泥棒・石川家の十三代目。剣術の使い手で、愛刀・斬鉄剣はあらゆる物を一刀両断にする。実直で寡黙。ルパン、次元の振る舞いを恩義に感じ、仲間に加わる。
峰不二子(ボイス:沢城みゆき)・・・正体不明の謎の美女。明晰な頭脳、抜群の美貌とプロポーション、すぐれた身体能力、そのすべてを武器に人を弄し、ターゲットを手に入れる。色仕掛けと話術でルパンすら手玉にとる。
銭形警部(ボイス:山寺宏一)・・・警視庁公安課の敏腕刑事。ルパン三世を追い続ける宿命のライバル。正義感が強く、熱血漢で真っ直ぐな性格。時に融通の利かない頑固者だが、犯罪を憎むその姿勢は誰よりも真摯でブレない。
ムオム(ボイス:片岡愛之助)・・・地図にない島を支配する“不死身”の存在。人類を選別し、不要な者を排除するという思想を持ち、島を「世界のゴミ処理場」として築いた謎の支配者。
サリファ(ボイス:森川葵)・・・ムオムの意思を代弁する謎多き少女。無垢な瞳の奥に複雑な感情を秘め、ムオムとルパンたちの前に現れる。島とムオムの真実を知る鍵を握っている。
・背景描写
今作はまるでゾンビのような人たちが出てきて過去に倒した敵も出てくる少し違った世界が開ける作品だ。今作では何を盗むか判然とせず不死身の謎について追求していくストーリーとなっている。自然現象がまるで意図的に起こされているかのシーンにヒントを感じながら観ていくと楽しめるだろう。
・音楽
主題歌はB’zの「The ⅢRD Eye」である。ルパンの映像とともに流れるエンディングソングは今作の緊張感を漂わせる様を連想させる。B’zのROCKとJAZZY、そしてゴージャスなホーンセクションのMIXTUREで面白い作品になったと思うとコメントしている。
・テーマとメッセージ
不死身であることはつまらないことだとルパンは語る。不死身であるとはつまり身体が老化しないことである。しかし、どの生物も成長していく過程で老化は避けられないのである。死を恐れているそれがメッセージであるように思う。どれだけ楽しく細く長く生き続けることができるかが我々にできる努力だと思う。
・関連する映画
2025年5月23日公開「怪盗クイーンの優雅な休暇」をあげたい。ここでもう一つ最近公開された映画である怪盗クイーンを紹介する。怪盗クイーンシリーズは20年以上続く文庫本が出版されている。同じようにルパンは今作で30年ぶりに新作アニメーション映画を公開した。この長く愛され続ける作品の共通点は怪盗である。かっこよさや器用さに憧れ、子どもだけでなく大人も夢中になれる幅広い世代に愛されるテーマである。推理とアクションも楽しめ筆者としても大好きであり、映画の世界に夢中になれる。ぜひヒット作の手法を学び取りたい。
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