「インプラント治療で拒絶反応が起こるケースがある?腫れた場合の対処法も解説」

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歯医者さんを受診していてインプラント治療を勧められた際、何も知らないで治療を受けるのは不安という人へ。インプラント治療とは何か、拒絶反応はどうなの?拒絶反応で歯茎が腫れた場合どうすればいいの?そんなお悩みを解決して治療に対して前向きに来院してもらうために今回記事を執筆いたします。また、費用を支払って、治療を受けるかどうかお悩みであればこの記事を最後までご覧になって、先生と相談して治療方針を決めてください。

インプラント治療の特徴や流れ

Q:インプラント治療の特徴を教えてください。

A:インプラントとは、むし歯や歯周病で抜けた歯にかわって咬み心地や見た目を回復するための治療法です。歯がなくなってできなくなり、あきらめていたことが、インプラントによってもとどおりできるようになり、生活に豊かさが戻ってきます。

インプラントのメリットをいくつか紹介します。

・入れ歯では味わえない歯ごたえのあるものが食べられて、おいしくバラエティーのある食事が楽しめます。

・左右でバランス良く咬めるので、残っている歯で無理に咬むことが無くなり、自分の歯も長持ちします。

・入れ歯のように取り外しをする面倒がなく、気軽に外出や旅行が楽しめます。

・発音が安定するので会話が楽しめます。

・見映えのする口元がもどって、気持ちよく笑顔をつくれます。

・しっかり咬むことにより、かたよりのない栄養バランスのとれた食事がとれて健康に貢献します。

一方、デメリットとして以下のようなものがあります。

・インプラントにも寿命があります。歯科インプラント治療後10年で約1割のインプラントが失われているため長持ちさせるには定期検診を受ける必要があります。

・手術にはリスクがあります。

インプラント治療には外科治療を伴いますので、患者さんの健康状態によっては治療を受けられないことがあります。例えば、心筋梗塞、狭心症、喘息、肝炎などが挙げられます。また、トラブルにより下唇のしびれ(神経損傷による麻痺)で、回復するまでに長時間かかるリスクもあります。

Q:どのような流れで治療が行われますか?

A:相談から治療の流れをSTEPごとに紹介します。

STEP1:相談・カウンセリング・・・患者さんの悩みを相談して歯科医と一緒に治療法を考えます。

STEP2:お口の中の全体の検査・・・インプラントの治療や持ち具合に直接関わるのでお口の中をしっかり検査する必要があります。

STEP3:抜歯・歯周病治療・むし歯治療など・・・インプラントの治療を始める前に治療を終えておく必要があります。

STEP4:エックス線撮影、血液検査・・・インプラントは顎の骨に支えられてしっかり咬むことができます。検査で顎の骨の形を正確に知るためにエックス線撮影を行います。また、インプラントの治療がうまく進むために、病気が潜んでいないか血液検査で知る必要があります。

STEP5:骨の移植・・・顎の骨が細すぎたり低すぎたりした場合、骨のボリュームを増やすために、骨の移植を行うことがあります。下あごの奥のほうから骨をとるかもしくは、人工的な材料を使って骨を増やします。

STEP6:インプラントを埋める手術・・・麻酔をして顎の骨にインプラントを埋めます。

STEP7:骨とインプラントが結合するのを待つ・・・インプラントは骨と相性のいい材料でつくられているために、骨と強く合わさります。元々の骨の強さや埋められたインプラントの種類によって待つ期間は異なります。

STEP8:インプラントの頭を歯肉の上に出す手術

STEP9:仮歯を入れる・・・骨とインプラントがくっついてから歯をつくる作業に入ります。口の型取りと咬み合わせの記録を行います。いきなり最終的な歯をつくらずに、まず仮歯をつくって口の中に合わせます。

STEP10:形、使い心地などをチェック・・・仮歯を使って見映え、咬み心地、話しやすさ、磨きやすさなどをチェックします。不具合がある時はその都度調整を行います。

STEP11:最終的な歯を入れる・・・仮歯のチェックが終わったら、もう一度型取りと咬み合わせの確認を行って最終的な歯をつくります。

STEP12:定期的なメンテナンス・・・口の中の状態のチェックと取りきれない汚れの除去のために歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。

Q:インプラント治療の成功率はどのくらいですか?

A:30年以上におよぶ臨床と100万人以上の患者の治療結果に基づいた統計によれば、個々のインプラントの成功率はほぼ95%とみられています。インプラントで支台をつくって行うブリッジの成功率は、さらに高い数字を示しています。

インプラント治療で拒絶反応が起こるケースがある?

Q:インプラント治療で拒絶反応が起こるケースはありますか?

A:インプラン治療では過去の事例として金属アレルギーを生じたという報告があります。インプラント治療による接触皮膚炎を生じるケースがあります

Q:拒絶反応の原因を教えてください。

A:一般的に金属アレルギーを引き起こすには、問題になる金属がイオンになることが前提です。イオン化の条件は、埋め込んだインプラントから口腔内で唾液に吸収され、その金属イオンが生体の組織と反応し半抗原となり反応が現れます。

Q:拒絶反応が起こった場合どのような症状が出るのですか?

A:金属アレルギーの口腔内症状として、歯肉炎が指摘されます。歯肉炎とは歯茎に炎症が起こっていない軽度の歯周病のことです。

歯周病が進行すると歯を支える骨が溶け、最終的には歯が抜けてしまう病気です。

Q:拒絶反応が起こるとインプラントは抜けてしまいますか?

A:インプラント治療の拒絶反応により歯周病に罹患することで、インプラントが抜けてしまうことがあります。インプラントの周囲が清掃不良となり不潔になることで、歯周病菌が侵入するケースがあります。そのためインプラント治療後は、定期検診を受診してメンテナンスを受けてください。

Q:拒絶反応が起こりにくい素材はありますか?A:ジルコニア素材があります。ジルコニアは人工ダイヤモンドとも言われており、見た目もとてもよいです。金属が使用されていないため、金属アレルギーの人でも安心して利用できるのが特徴です。

拒絶反応で歯茎が腫れた場合の対処法

Q:拒絶反応が起こった場合どのような処置が行われますか?

A:非外科的治療外科的治療の2つがあります。

非外科的治療は、周囲の歯石除去、歯周ポケット内洗浄と薬剤の注入、抗生物質の投与、歯みがきや生活指導を基本として炎症を押さえていきます。

一方、外科的治療を行う場合は、歯槽骨の吸収が進んでいる場合です。歯茎を切開して、インプラント体に直接アプローチをする方法で、インプラント表面の清掃や殺菌を行います。

これらの方法を行ってもインプラント周囲炎が改善されない場合は、インプラントを摘出しなくてはなりません。

Q:歯茎が腫れた場合の対処法を教えてください。

A:速やかに歯科医師に相談し、アレルギーのない素材への交換、薬物療法による管理もしくはインプラントの除去を行なってください。

編集部まとめ

これまでインプラント治療の特徴や副作用そして対処法について述べてきました。歯の健康は誰しも共通する悩みです。年齢を重ねるにつれ、インプラント治療をするのも1つの選択肢です。そこで、勉強の機会としてこの記事を参考にして少しでも理解を深めてもらえればと思います。インプラント治療のリスクを知った上で治療に臨むことはとてもよいことです。ぜひ、前向きにインプラント治療を検討してみてください。

参考文献
日本口腔インプラント学会「インプラントとは?」

インプラントを知る | 公益社団法人日本口腔インプラント学会
インプラントを知っていただくために、インプラントとは何かをわかりやすく説明しているページです。

厚生労働省「安心してインプラント治療を受けるために」https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-03.pdf

公益社団法人日本口腔インプラント学会「相談から治療の流れ」

相談から治療の流れ | 公益社団法人日本口腔インプラント学会
インプラントに関する相談から治療の流れを説明しています。

神奈川県歯科医師会「そもそもインプラントってどんな治療なの?」

そもそもインプラントってどんな治療なの?|公益社団法人神奈川県歯科医師会
インプラント治療をめぐる素朴な疑問にお答えします

東京歯科大学学術機関リポジトリ「金属アレルギーにおけるインプラント除去の1症例」

https://ir.tdc.ac.jp/irucaa/bitstream/10130/806/1/104_491.pdf

東京歯科大学学術機関リポジトリ「歯科金属アレルギーの臨床統計的検討」

https://ir.tdc.ac.jp/irucaa/bitstream/10130/3076/1/5_45.pdf

日本歯科医師会「インプラント」

インプラント - 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020
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